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宮澤健一記念賞 第6回の受賞者を掲載しています。

令和2年度 受賞者

菅谷 拓生 氏  スタンフォード大学経営大学院准教授

論題:“Maintaining Privacy in Cartels”(Journal of Political Economy: 126, 2018)

>>受賞論文の要旨

<受賞者略歴>(「公正取引」掲載時点)
<選考経過>

 菅谷氏の受賞論文“Maintaining Privacy in Cartels”は、地域分割によるカルテルに対して理論的な根拠を与える論文である。Alexander Wolitzky 氏(MIT)との共著でもあるこの論文で、菅谷氏は、カルテル参加企業間で共有する情報を敢えて「粗く」することで、カルテルが進されやすくなる点を初めて理論的に明らかにした。
 例えばわが国初の排除措置命令が出された国際カルテル事件(平成20 年のマリンホース事件)では、日英仏伊の主要企業が互いの国へ参入しないことを取り決めていた。タンカーと陸上基地をつなぐホースという需要が比較的安定した財に対して、カルテル各社は、カルテルのマネジメントをコンサルタントにまかせ、互いの受注国での市場情報を共有しない、というものであったが、その理由についてはこれまで必ずしも経済学的に明らかではなかった。
 菅谷論文は、EU を始めとする複数のカルテル事件を例にとりながら、マリンホース事件に代表される多くのカルテル事件に共通する側面に対して新たな知見を与えた点で、選考委員が一致して高く評価した。

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