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主要国におけるGAFA、デジタルプラットフォーム事業者への競争法適用の動き[2020/12/30]

○ はじめに
本年10月、米国司法省はGoogleが行っているアンドロイド端末メーカー、通信キャリアー等に対し、競合アプリのプリインストールを禁止している行為を提訴し、また12月に連邦取引委員会は、Facebookによる市場に参入する競争者の次々買収する行為に対して裁判所にする提訴したニュースがマスコミに大きく報道されました。ECではGoogleに対して過去最高の制裁金(43億4000万ユーロ)が賦課されております。
我が国においても、公正取引委員会は一昨年来、デジタル市場の競争条件の整備に取組んでおり、具体的な事件でも積極的に法適用をしております。本稿では、日本の動き、米国、ECはじめ主要国のプラットフォーマーに対する法適用はじめ同市場に関する立法の動きについて整理しました。

○ 日本
1 透明化法の制定
 2020年6月3日に、「特定プラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(透明化法)が公布され、経済産業大臣により指定された一定規模以上のデジタルプラットフォーム事業者については、出店者や一般利用者に対して取引条件等の情報の開示や条件変更の際の事前通知等を行わなければならないこと、毎年度の取引状況や自主的な手続・体制の整備等について経済産業大臣に報告しなければならないこと、独占禁止法違反(不公正な取引方法)のおそれがあると認める場合には経済産業大臣から公正取引委員会に措置請求を行うことができることなどが規定されています(公布後1年以内に施行)。
(透明化法の概要)
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200218001/20200218001.html

2 公正取引委員会の対応
(1)ガイドライン等の改正・制定
 (企業結合ガイドラインの改正)
 公正取引委員会は、2019年12月17日に、デジタル分野の企業結合案件に的確に対応する必要性が高まってきていることを踏まえ、「企業結合ガイドライン」及び「企業結合手続対応指針」を改定しました。この中では、データ等の重要な投入財を有するスタートアップ企業を買収することによる競争制限の可能性を念頭に、届出基準を充たさない企業結合計画であっても審査を行っていく方針であることが示されています。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/dec/191217_kiketu.html
(消費者優越ガイドラインの制定) 
また、同じく2019年12月17日に、公正取引委員会は、デジタルプラットフォーム事業者による消費者の個人情報等の取得・利用に対する懸念の声が高まっていること等を踏まえ、「デジタルプラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」(消費者優越ガイドライン)を新たに作成・公表しました。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/dec/191217_dpfgl.html

(2)実態調査
 公正取引員会は、デジタルプラットフォーム事業者の取引慣行等に関する実態調査を行っており、2019年10月31日には「オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引」について最終報告書が、2020年10月31日には「デジタル広告市場」について中間報告が公表されています。
(オンラインモール・アプリストアにおける事業者間取引(最終報告))
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/oct/191031_2.html
(デジタル広告分野(中間報告))
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/apr/200428_1.html

(3)個別事件
 ア アマゾンジャパンに対する件(確約計画の認定)
公正取引委員会は、アマゾンジャパンが、納入業者に対して、自らが行う小売販売の対象である商品について、不当な減額、不当な経済上の利益(金銭)の提供要請、不当な返品を行っている行為が優越的地位の濫用に当たる疑いがあるとして調査していましたが、これらの行為の取りやめ、金銭的価値を回復することなどを内容として同社が申請した確約計画を認定し、調査は終了しました(2020年9月10日)。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/sep/200910.html
 (ポイントサービスの出展者への負担事案・・調査打ち切り)
また、アマゾンジャパンが「Amazonマーケットプレイス」の出品者との間のポイントサービス規約を変更し、出品されるすべての商品に付与される1%のポイントの負担を出品者に求めることに優越的地位の濫用の懸念があったとして調査を行いましたが、同社が、商品をポイントサービスの対象とするかどうかについて出品者の任意とすることとしたため、調査を継続しないこととしました(2019年4月11日)。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/apr/190411.html

 イ 楽天に対する件 (宿泊設備運営業者との契約条件、確約計画の認定)
 公正取引委員会は、楽天が、「楽天トラベル」と称するウエブサイトに掲載する宿泊施設運営業者との契約の中で、宿泊施設運営業者が掲載する部屋の最低数の条件を定めるとともに、宿泊料金及び部屋数については他の販売経路と同等又はそれより有利なものとすることとしていたことが拘束条件付き取引に当たる疑いがあるとして調査してきましたが、これらの行為を取りやめることなどを内容として同社が申請した確約契約を認定し、調査は終了しました(2019年10月25日)。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/oct/191025.html
 (「送料無料」問題、緊急停止命令の申立と取り下げ)
委員会は、楽天が「楽天市場」において1回の合計注文金額が3980円以上(沖縄等は9800円以上)の場合に、商品の販売価格とともに「送料無料」と表示させることが、出店事業者が別途送料を収受することを一律にできないようにしており優越的地位の濫用に当たる疑いがあるとして、2020年2月28日、東京地方裁判所に緊急停止命令の申立てを行いましたが、楽天が、出店事業者が参加するかどうか自ら判断できるようにすること等を公表したため、その申立てを取り下げました(2020年3月10日)。
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/mar/200310.html

○ 米国
1 米国議会の対応 (「デジタル市場における競争に関する調査」の報告書)
 米国下院の反トラスト小委員会は、2020年10月6日、「デジタル市場における競争に関する調査」の報告書を公表しました。これは、2019年6月以降のGAFA調査や公聴会等に基づくもので、共和党議員が署名しなかったことから、多数派(民主党)スタッフの報告と提言と位置づけられています。同報告書では、GAFAについて、主要な流通チャンネルを支配し、ゲートキーパーとして機能しており、プラットフォームの市場支配力は、消費者の選択肢を減少させ、米国経済におけるイノベーションや起業家精神を減衰させ、自由かつ多様な報道を弱体化させ、米国民のプライバシーを毀損させているとしています。
 このため、〇拉枦プラットフォームの事業分割、差別的取扱いの禁止などによる競争の回復、▲レイトン法7条(合併規制)やシャーマン法2条(独占規制)等の反トラスト法の強化、5腸颪砲茲覺道覿化や反トラスト当局の予算の強化・不公正な競争方法に対する行政制裁の検討など反トラスト法の改正・執行の強化等を提言しています。

(出典)デジタル市場競争本部第16回会合事務局提出資料

(報告書公表文)
https://judiciary.house.gov/news/documentsingle.aspx?DocumentID=3429

2 個別事案
(1)Google (競合品アプリの排除行為等)
 司法省は、11州と共同して、2020年10月20日、GoogleがアンドロイドOS等の地位を利用して、アンドロイド端末メーカー、通信キャリアー等に対し、競合アプリのプリインストールを禁止したりグーグル検索アプリを最も目立つ位置にプリインストールし消費者が削除できないようにすることを要求したり、Safariブラウザ等のApple製品の検索ツールにおいてGoogleの検索を初期設定するよう長期的な契約を締結するなどしたことが、検索市場等において反競争的であるとして、ワシントンDC連邦地裁に提訴しました。
 なお、その後、同訴訟の原告には、カリフォルニア等3州も加わることが見込まれています。
https://www.justice.gov/opa/pr/justice-department-sues-monopolist-google-violating-antitrust-laws
https://www.justice.gov/opa/pr/three-additional-states-ask-court-join-justice-department-antitrust-suit-against-google
 (デジタル広告分野の調査)
なお、司法省は、Googleに対しては、デジタル広告分野における競争制限について、上記とは別に引き続き調査を行っているところですが、2020年12月16日、テキサス州など10州の司法当局(いずれも共和党系司法長官)が、Googleが、インターネット広告市場での独占的な地位を利用し、広告掲載の入札に当たり、反競争的な行為、排他的な慣行、虚偽表示等の不正行為によりオンライン広告の価格を引き上げたなどとして、また、翌日12月17日には、コロラド州など38州の司法当局(超党派)が、GoogleがAppleなどと排他的契約を締結したこと、競合する検索広告サービスとの相互運用を拒否していること、旅行や娯楽などの競合する情報への消費者のアクセスをしにくくしていること、ユーザーから収集した膨大なデータで独占を強化していることなどを理由に提訴を行ったことが報道されています。
https://www.reuters.com/article/us-tech-antitrust-google-idUSKBN28Q2RL
https://jp.reuters.com/article/tech-antitrust-google-colorado-idJPKBN28R2ZH

(2)Amazon (FTCの実態調査)
 連邦取引委員会(FTC)は、2020年12月14日、Amazonを含めたソウシャルメデイア及びビデオ・ストリーミングの9社が、消費者からどのように情報を収集し、それを利用・提供しているか調査を開始したことを公表しました。
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/12/ftc-issues-orders-nine-social-media-video-streaming-services

(3)Facebook (FTC 競合企業の買収を通じた競争制限行為に対する提訴)
連邦取引委員会(FTC)は、46州等と共同して、2020年12月9日、FacebookがInstagramやWhatsAppを買収し、また、ソフトウエア開発業者にAPIを提供する際の条件として競合機能の開発や他のSNSサービスとの接続を控えることを要求したことが競争を妨げるとして、ワシントンDC連邦地裁に提訴しました。
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2020/12/ftc-sues-facebook-illegal-monopolization

(4)Apple (消費者団体による民事訴訟)
 Appleに対しては、同社の公式アプリストアであるApp Store以外でのアプリ配信を認めず、高額な手数料を徴収しているなどとして消費者団体やCydiaなどが提訴しているほか、司法省も調査を行っていると報道されています。
https://www.supremecourt.gov/opinions/18pdf/17-204_bq7d.pdf
https://www.reuters.com/article/us-apple-cydia-lawsuit-idUSKBN28K310
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200205-OYT1T50108/

○ 欧州共同体
1 P2B規則
 欧州共同体では、プラットフォーム事業者による不公正な取引慣行及び取引条件の透明性確保に関する規則(「P2B規則」が2019年6月20日に成立し、2020年7月12日に施行されました。同規則は、仲介型・検索型プラットフォーム事業者が、圧倒的な交渉力に基づき、プラットフォームを利用する事業者に対して強制する不公正な取引慣行、利用条件の不明覚醒・不透明性に対処するため、利用条件の明確化、サービス停止・解除する際の理由の通知、検索ランキング等を決定する主要なパラメータの表示、収集するデータの種類・活用・第三者提供方法等の開示に関するプラットフォーム事業者の義務を定めています。
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/platform-business-trading-practices

2 デジタルプラットフォームを規制する法案
 欧州委員会は、2020年12月15日、インターネット企業など大手IT企業を対象としたデジタルサービス法(DSA)とデジタル市場法(DMA)を提案しました。
 このうち、DSAでは、提供されるサービスや企業の規模により規制される内容は異なりますが、企業が、違法コンテンツの除去を行わなかった場合などに、最大で全世界売上高の6%の制裁金が課されるほか、欧州委員会への調査に応じなかった場合などには、最大で全世界売上高の1%の制裁金が上乗せされることなどが規定されています。
 また、DMAは、デジタル市場の開放性と競争を守ることを目的としたもので、検索エンジン、SNS、オンライン仲介など企業と市民との間のゲートキーパーとして機能する大企業(過去3年間の欧州市場での年間売上高が65億ユーロを超え、EU加盟国3カ国以上でサービスを提供しており、月間アクティブユーザーが4500万人以上など)に適用されます。同法では、これらの企業が、自己のプラッットフォームで、自社の商品や役務を他社の商品や役務より有利に取り扱うこと、消費者が他社のプラットフォームにリンクすることを妨げること、プレインストールされたアプリを削除するといった不当な行為を禁止するほか、自社サービスに第三者企業のソフトウエアとの互換性をもたせるなど企業の義務も規定されています。企業がこれらに違反した場合には、最大で、全世界売上高の10%の制裁金が課せられたり、企業分割が行われたりすることとなります。また、DMAには、デジタルサービス分野の企業を買収する際の事前届出義務についても規定されています。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_2347

3 個別事案
(1)Google (検索サービスシステム)
 欧州委員会は、2017年6月27日、Googleが、比較ショッピングサービスの検索結果について、自社が提供するショッピングサービスを目立った位置に配置するシステムを採用し、競合するショッピングサービスの表示される順序を引き下げていたとして、約24億2000万ユーロの制裁金を課しました(係争中)。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_17_1784
 (不当な抱き合わせ、排他条件付き取引)
また、欧州委員会は、2018年7月18日、Googleが、〃搬喘舎メーカーに対し、同社のアプリストアである「Play Store」のライセンスの条件として、同社の検索アプリ「Google Search」及びブラウザアプリ「Chrome」のプリインストールを要求していること(不当な抱き合わせ)、大手携帯端末メーカー及び移動体通信事業者に対し、「Google Search」を排他的にプリインストールすることを条件にリベートを提供したこと(排他条件付きリベート)、F閏劵▲廛蠅離廛螢ぅ鵐好函璽襪魎望する携帯端末メーカーが、同社から承認されていないAndroidの改造版(いわゆるAndroidフォーク)を使用した端末を販売するのを妨げていること(不当な取引妨害)を認定し、過去最高となる約43億4000万ユーロの制裁金を課しました(係争中)。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_18_4581
(検索型連動広告の競争者の排除)
さらに、欧州委員会は、2019年3月20日、同社が、ウエブサイト所有者との契約の中で、競合他社の検索連動型広告を検索結果のページに掲載することを禁止したり、同社の検索連動型広告のために検索結果ページの最も収益力のあるスペースを確保したり、競合他社の検索連動型広告の表示方法を変更する際には、同社から書面による事前承認を得るといった条項を設けていたとして、約14億9000万ユーロの制裁金を課しました(係争中)。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_19_1770

(2)Amazon (出店者の情報の不正利用)
欧州委員会は、2020年11月10日、Amazonが、同社のオンラインモール「マーケットプレイス」に出店する小売業者の販売実績やサイト閲覧数など非公表のデータを、自社の売上げ向上の目的で不正に利用していたなどとして、同社に異議告知書を送付しました。
なお、これとは別に、同社が、自社物流・配達サービスを利用している出店者を優遇していることなどについての調査を新たに開始したことを公表しました。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_2077

(3)Facebook (不正確・誤認を招く報告)
 欧州委員会は、FacebookがWhatsAppを2014年に買収した際、両社のユーザーアカウントについて対応付けは行わず、また、技術的にも不可能であると欧州委員会に対して主張していたにもかかわらず、2018年8月に両社のアカウントをリンクさせることを公表したことについて、買収時点で対応付けが可能であると認識していたにもかかわらず、不正確又は誤解を招く情報を報告したとして、2017年5月18日、1億1000万ユーロの制裁金を課しました。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_17_1369

 また、欧州委員会のヴェステアー委員は、Facebookが導入を計画している仮想通貨libraについて、競争を阻害するおそれがないか調査していることを公表しました(2019年9月4日)
https://www.reuters.com/article/us-facebook-libra-idUSKCN1VA1Z3

(4)Apple (アプリ開発者に対する拘束条件付き取引等)
 欧州委員会は、2020年6月16日、Appleによる
 ‘閏劼離好沺璽肇侫ン向けアプリ販売サイトApp Storeを通じたアプリの頒布について、アプリ開発者に対して、Apple独自のアプリ内購入システム「IAP」の利用を義務づけていること、アプリ開発者がユーザーにアプリ外でも購入できる可能性を通知することを制限していることの2点を中心に調査を開始すること
◆‘閏劼離ンライン決済サービスであるApple Payについて、iPhoneやiPad上のストアアプリやウエブサイトに組み込む場合の条件及びその他の措置、iPhoneを利用して店舗で支払うための近距離無線通信へのアクセス制限及びApple Payへのアクセス拒否について調査を開始すること
を公表しました。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1073
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_1075

○ 英国 (実態調査)
 2020年7月1日、競争・市場庁は、「オンライン・プラットフォームとデジタル広告の市場調査」の最終報告書を公表して、その中で、デジタル広告市場において「戦略的な地位」を有する事業者の行動を規律するための行動規範を導入すること、その規範を執行するための規制機関(デジタル市場ユニット(DMU))を設立し競争促進的な介入を行うべきことなどを提言しました。現在、英国政府は、GoogleとFacebookを対象とした具体的な規制の枠組みを検討しています。

(報告書関係公表文)
https://www.gov.uk/cma-cases/online-platforms-and-digital-advertising-market-study

 また、競争・市場庁は、2020年12月8日、デジタル市場ユニット(DMU)が、一定の基準を充たすIT大手企業を「戦略的市場地位(SMS)」を有する企業に指定し、当該企業が行う企業結合を事前届け出させることにより監視を強化すること、行動規範に違反した場合には、最大で全世界売上高の10%の制裁金を課すことなどを提言しています。
https://www.gov.uk/government/news/cma-advises-government-on-new-regulatory-regime-for-tech-giants

○ ドイツ (Facebookの市場支配的地位の濫用行為)
2019年2月7日、連邦カルテル庁は、Facebookが、WhatsApp及びInstagramから収集したユーザーデータを、ユーザーの自発的な同意なく、自社が収集したデータと統合・利用していたことが、SNS市場及びSNSオンライン向け広告市場における市場支配的地位の濫用に当たるとして、同社の規約に基づき個人情報を処理・利用することの禁止を命じました。
この禁止決定は、高裁では執行が停止されましたが、最高裁は高裁の決定を破棄し、連邦カルテル庁は命令を暫定的に執行できるとの決定を下しています(2020年6月23日)。
(連邦カルテル庁による命令公表文)
https://www.bundeskartellamt.de/SharedDocs/Meldung/EN/Pressemitteilungen/2019/07_02_2019_Facebook.html
(最高裁決定についての連邦カルテル庁コメント)
https://www.bundeskartellamt.de/SharedDocs/Publikation/EN/Pressemitteilungen/2020/23_06_2020_BGH_Facebook.pdf?__blob=publicationFile&v=2

なお、ドイツでは、市場支配的地位には至っていなくても、「paramount significance」を有する事業者が、他の市場で得られたデータを自分だけが利用することやデータポータビリティを制限することにより参入障壁を高めることを禁止することなどを内容とする競争制限禁止法の改正案が、2020年9月に閣議決定されています。

○ フランス (Googleによる差別的な広告掲載)
競争委員会は、2019年12月19日、Googleが、検索結果に連動して表示される広告の掲載について、一部の広告主には掲載料を支払わなくても掲載を認めたり、予告なしに広告のアカウントを停止するなどGoogle Ads規約に基づいて不透明で差別的な広告掲載運用を行っていたことが、検索連動型広告市場における広告費用を増大させ、広告主が下流市場で行う競争を歪曲するなどとして、約1億5000万ユーロの制裁金を課しました。
https://www.autoritedelaconcurrence.fr/fr/article/google-sanctionne-150-millions-deuros-pour-abus-de-position-dominante

○ 中国 
2020年11月10日、国家市場監督管理総局(SAMR)は、オンラインプラットフォームによる反競争的行為を規制するための指針である「プラットフォームビジネス領域における独占禁止ガイドライン」案を公表しました。
同ガイドライン案では、大手プラットフォーム事業者が支配的地位を濫用し、取引拒絶や差別的取扱い等を行うことは、独占禁止法違反のおそれがあることが明記されています。
パブリックコメントの募集は11月30日で締め切られていますので、近々成案が公表されるものと思われます。
http://www.samr.gov.cn/hd/zjdc/202011/t20201109_323234.html

○ 韓国
韓国公正取引委員会は、2020年10月6日、同国のオンラインプラットフォーム大手のネイバーが、検索市場での支配的地位を濫用し、ネット通販や動画の検索サービスでアルゴリズムを不当に操作し、自社のオンラインモールで取り扱う商品の検索結果を上位に表示させていたとして、約267億ウォンの制裁金の支払いを命じました。
https://www.ftc.go.kr/www/selectReportUserView.do?key=10&rpttype=1&report_data_no=8759

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