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下請法務検定

下請法務検定について

 公正取引協会では、これまで長年にわたり下請法の普及・啓発活動を行ってまいりましたが、企業による違反行為の未然防止を図り、コンプライアンス体制の整備を支援する観点から、その一環として、令和5年に「下請法務検定」を創設し、公正取引協会の後援を得て、検定試験を実施しています。

1 下請法とは

 「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)は,親事業者と下請事業者の取引の公正化を図り,下請事業者の利益を保護するために昭和31年に制定されました。
 下請法の適用対象となる親事業者は,発注書面の交付義務など4つの義務と下請代金の支払遅延の禁止など11の禁止行為が求められます。これらの義務や禁止行為は,下請事業者の利益の保護の観点から,一般のビジネス取引では必ずしも求められないようなものもあります。下請法に違反し,勧告を受けた場合には,企業名や違反行為の概要などが公表されることを踏まえると,親事業者としては下請法の規制内容を十分に理解する必要があります。

2 下請取引の特徴

 親事業者が行う下請取引には,以下のような特徴があると考えられます。
 第1に,前述のとおり,下請法では一般の商慣行とは異なる規制もあるため,下請法をよく理解していないと違反を起こすリスクが高いということです。
 第2に,下請法の適用対象となる親事業者の発注・調達業務は,日々行われているものであり,その取引の数が多くなるということです。
 第3に,親事業者の工場や支店・事業所など発注・調達業務に関わる従業員が幅広いということです。
 下請法が制定されて60年以上が経過しますが,例えば公正取引委員会の事件処理状況を見ていますと,過去20年以上にわたって違反件数が増加傾向にあり,最近では,違反件数が毎年7,000件を超える状況にあります。その理由については,上記のような下請取引の特徴が影響しているものと思われます。

3 下請法の執行強化とコンプライアンスの必要性

 現在,政府において下請法の執行強化の取組が進められているところです。企業にとって法令遵守は必須であり,特に下請法は,上記のとおり法違反のリスクが高いものとなっています。当協会では,企業による違反行為の未然防止を図り,コンプライアンス体制の整備を支援する観点から,下請法の普及・啓発の一環として,令和5年に「下請法務検定」を創設し、公正取引委員会の後援を得て、検定試験を実施しています。

4 公正取引協会のこれまでの活動

 昭和25年に財団法人として設立された当協会は,下請法制定以降,これまで長年にわたり,企業向けに下請法の講習会を開催してきています。現在では,毎年,春秋に下請法の定期講習会を実施し,また,下請法に関して特定のテーマに絞った特別講座や下請法研究会の開催を実施しています。さらに,月刊誌「公正取引」において下請法の特集を組んだり,公正取引委員会担当官による下請法の解説書である「下請法の実務」を発行するなど,これまで下請法の普及・啓発を進めてきました。このように,下請法務検定に基づく試験は,これまでの当協会の活動を踏まえて行うものです。

5 下請法務検定試験のメリット

(1) スキルアップ
 下請法務検定試験は,下請法に関する知識の習得程度を測るものであり,同試験に合格することは,企業の中で下請法を習得した者として一定の評価を与えられることになります。法務担当者はもちろん,下請取引を実際に行う発注・調達業務を担当する方にとっても必須の試験となります。

(2) リスク回避
 前述のとおり,下請法では一般の商慣行とは異なる規制もあるため,下請法違反を起こすリスクが高くなっています。このため,下請取引を行う担当者が下請法務検定試験に合格して下請法の理解度を向上させることが,このようなリスクを回避する最も効果的な方法となります。

6 次回の試験(申込受付は終了しました。)

令和6年5月17日(金)~同月31日(金)で実施することとしました。詳細は、本サイトで御確認ください。
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